ティンドゥフ難民キャンプへの国際人道援助、アルジェリアとポリサリオが不正流用
ティンドゥフ難民キャンプへの国際人道援助、アルジェリアとポリサリオが不正流用

2007年、欧州府政対策局が発表した報告書によって、ティンドゥフ難民キャンプへの国際人道援助が数年間にわたって故意に不正流用されていたことが判明した。

 2007年の報告書は、2003年に実施された調査の結果に基づいて作成されたもので、7年もの期間にわたって「忘れられていた」。欧州財務官のクリスタリナ・ゲオルギエヴァ氏が先月1月末に説明したところによると、この報告書の発表を求める要請が2010年に拒否され、2014年になって、欧州オンブズマンの介入によって、ようやく受理されたということである。

 欧州委員会は、人道援助に関する詐欺行為を防止するため、数段階のステップを踏んだが、難民キャンプへの資金援助を停止することはなかったと同財務官は述べた。ヨーロッパ連合(EU)は、毎年、1000万ユーロ(約13億円)をティンドゥフ難民キャンプの援助に拠出している。

人道援助物資がアルジェリアのオラン空港に到着すると、そこで難民キャンプとそれ以外の流用先に振り分けられる。

報告書では、このような不正流用をおこなっている容疑者らの氏名のリストが掲載されている。欧州不正対策局によると「このような不正流用を可能にしている理由の一つは、過大申告された難民数に対して援助が供与されていることだ」ということである。

 EUはティンドゥフ難民キャンプを1975年から資金面から支援しているが、支援はアルジェリア政府が申告した155,000人という難民数に基づいて算出されている。しかし、欧州不正対策局によると「アルジェリアもポリサリオ戦線もキャンプの人口調査に同意しない」ということである。

 さらに報告書によると、難民向けの良質の食糧、たとえばカナダ麦などは、低品質の食糧に差し替えられ、本来の援助物資は売却されており、国際援助による家禽製品は、難民には与えられず、売却されている。

クリスタリナ・ゲオルギエヴァ財務官は、(EU本部のある)ベルギー・ブリュッセルは、援助差し止めは不必要であるとして、年間1000万ユーロの援助をティンドゥフ難民キャンプの難民のために供与し続けていることを認めた。

Leave a Comment
Your email address will not be published. Required fields are marked *