ベンキーラン首相は、14日ラバトで、モロッコを公式訪問中の国際協力機構(JICA)の田中明彦理事長と会談した。
この会談では、特に2005年のムハンマド六世国王の日本訪問以降の両国の良質な政治的関係が称賛された、と首相官邸は発表した。
首相は、JICAがモロッコ各地の様々な部門、とりわけ水、電気、インフラ整備で進めている開発プログラムを支援していることを強調した。
また、首相は、モロッコで日本のボランティアが、35の日本関連の施設を通じて、多大な努力を積み重ねており、それがモロッコの安定とモロッコ経済の競争性に対する日本の経済部門の信用を強化していると述べた。
さらに、会談では、両国が第三の友好国、とりわけアフリカとアラブ世界の第三国の利益になる多国間協力を進めていくことについても協議された。
JICA理事長の田中明彦氏は、サラハディーン・メズワール外務協力大臣とも会談し、持続可能で調和のとれた人間開発について、モロッコとの協力を強化する決意を表明した。
田中理事長は、JICAの活動の三つの分野として、競争性の向上、持続可能な発展、社会的・地域的格差の是正に言及した。
「我々はすでにモロッコ国際協力庁と三角プロジェクトをいくつか実施しており、この実績によって今後の数十年間に協力を強化してゆくことができる」と田中理事長は強調した。
理事長は、また、市民の生活の質向上とモロッコ全国レベルの開発の推進を目的としたモロッコとの協力の様々な経験が成功していることに言及した。
この会談の際、ムハンマド六世陛下から田中理事長に対してアラウィ勲章が授与された。田中理事長は、勲章授与について、「大変栄誉」であると述べ、これは両国間の素晴らしい関係と、モロッコの開発のためのJICAの真摯な努力の賜物であると述べた。
メズワール外相は、JICAは、農業、漁業、保健、職業訓練を含む様々な分野の67のプロジェクトに対し総額25億ディルハムの資金援助を行ったことに言及した。
さらに、アフリカの友好諸国に対するプロジェクト支援に関する協力を深め、共通の経験とこれらの諸国の需要に関する知識を具体化する意思を強調した。
「二国間関係については、人間開発に関するプロジェクトの加速化と多様化をすすめる」と述べ、40年近く継続しているモロッコにおけるJICAの努力に感謝の意を表明した。
JICAは、1974年に開発のための公的援助機関として設立された。以来、JICAは、日本の技術援助を担い、無償資金援助を実施し、基礎的な生活条件の改善(水、教育、保健)、環境保護(砂漠化防止)、経済向上による貧困撲滅(漁業、農業、インフラ整備)をおこなっている。